白い歯
口の中は、話していても笑っていても目に付くところです。その中に見える白い歯は憧れです。そのことは、「明眸皓歯」という表現で昔から言われてきました。
では、どのようにして白い歯を手に入れたらよいのでしょうか。できるだけ歯を切削することなく(侵襲を与えず)、白い歯を手に入れる方法を考えていきましょう。

できるだけ健康歯質の切削を「ダウンサイジング」しながら、白い歯を得たいものです。
歯がくすんでいることを気にかけている女性でしたが、前歯に虫歯はありません。もちろん神経(歯髄)も生活しています。この症例では、歯を一切切削することなく漂白剤を用いたブリーチングを行い、満足を得られる白さを得ることができました。1回約45分の診療時間で、3回来院しました。白くなる度合いは、それぞれの歯によって違います。(使用:松風 ハイライト)
上の前歯が赤茶色から黒く変色しています。その歯の神経(歯髄)がなくなる、あるいは死んでしまうと、歯は経時的にこのような色に変色していきます。この症例でも歯を一切切削することなく、過去に神経(歯髄)のあった空間に漂白剤を入れて白くしました。漂白剤は数回入れましたが、もちろん痛みもなく、患者さんは大変驚いていました。
極端に黒い歯です。おそらく、小児のころこの歯が顎の中で成長しているときに大量に飲んだと思われるテトラサイクリンという抗生物質の副作用ではないかと考えられます。このように極端な例では、漂白剤のみによる漂白だけでは満足な白さは得られません。最後の手段として、歯の表面をエナメル質に限局するように約0.5mm切削して(右の写真)、型を取り、ポーセレンラミネートベニアと呼ばれる表面に張り合わせるものを製作して、それを接着剤で接着しました。1991年に治療しましたが、いまだに取れるとか割れるとかの問題もなく経過しています。